2021年01月31日

100日の郎君様(韓国ドラマ)全16話 あらすじ・感想・全話・最終回・ネタバレ

はじめに
全16話という短めのドラマですが、ふんわり優しい気持ちになるドラマです。悪人は実質、悪役のキム・チャオンくらい。ドラマ中でははっきり表現されていませんが、おそらくユルの父である王は大16代朝鮮王の仁祖ではないかと思われます。となるとイ・ユルは昭顕世子(ソヒョンセジャ)がモデルであるともとれます。

仁祖と昭顕世子が登場するドラマは多数ありますが、花たちの戦い~宮廷残虐史~あたりが記憶に新しいところです。このドラマによれば昭顕世子と嬪宮は当初、あまり仲が良くなかったらしい。けれども皮肉なことに、人質として満州で生活した折、昭顕世子との愛が深まり子供もドラマでは3人も受けていました。弟がのちの17代王であり、ユルが昭顕世子とすれば、ドラマの後の最後は謎と悲運に見舞われることになります。

このドラマでは世子夫妻は仲が悪く、世子嬪が世子ではない男の子を身ごもったことが発端になっています。ドラマでは父親は本シムの兄であり、二人は愛し合っていました。最期はホンシム兄がキム・ジャオンに殺され、ユル(王?)は世子嬪が自害したことにして実は郊外の田舎で子供を産んでいます。それをユルの腹違いの弟が見守っている図。

ユルはフリーになりましたから、身分が復帰したらしいホンシムを妻、つまり世子嬪に迎えてもよさそうですがドラマではそこまでのラストはありませんでした。一応、ハッピーエンドながらも、そこまで。

それではその他の感想などを登場人物の後にお話しします。


登場人物

イ・ユル/ウォンドゥク:ド・ギョンス(声:宮崎遊) /幼少期:チョン・ジフン・・世子(王位継承者)
ユン・イソ/ホンシム:ナム・ジヒョン(声:早見沙織)/幼少期:ホ・ジョンウン・・元重臣の娘/ヨン氏の養女
チョン・ジェユン:キム・ソノ(声:前田一世)・・漢城府の役人
ムヨン:キム・ジェヨン(声:保村真)/幼少期:チョン・ジュンウォン・・刺客
キム・チャオン:チョ・ソンハ(声:小市慢太郎)・・左議政(朝廷の重臣)、ソヘの父 
キム・ソヘ:ハン・ソヒ(声:遠藤綾)/幼少期:チェ・ミョンビン・・世子嬪(世子の正室)
イ・ホ/国王:チョ・ハンチョル(声:宮内敦士)・・ユルの父
王妃パク氏:オ・ヨナ(声:藤貴子)
王の正室、ソウォン大君の母、・・ユルの継母
ソウォン大君:チ・ミンヒョク(声:福西勝也)・・王妃パク氏の息子
ヨン氏:チョン・ヘギョン(声:平野俊隆)・・ホンシムの養父
クンニョ:イ・ミンジ(声:原島梢)・・ホンシムの友人
クドル:キム・ギドゥ(声:河本邦弘)・・クンニョの夫

出典

韓国ドラマといえば、両班以外の層は良民と賤民と奴婢がいます。良民は両班ではないけれど、一般人ですね。これらの人はましな方。賤民は奴婢ではないけれどかなり劣悪な環境で暮らしている人たちですね。たとえば革細工を扱う職人とかですね。奴婢は人間扱いされていなくて、犬猫やモノと同じ扱いの人たちです。たいていは両班の所有物で、仮に主人が奴婢に子供を産ませても母親が奴婢なら子供も奴婢です。まれに主人の裁量で、身分はともかくかわいがられている人もいるみたいですが。それから妓生は一生、妓生のようで、日本も江戸時代みたいに年季が明けたら自由とかはないようです。妓生が産んだ子は女なら生まれながらに妓生です。厳しいですよね。

それに対してこのドラマに登場する村人は、悲惨さがない良民の人々です。だから貧しいながらも割とほんわかしています。当時の朝鮮の衣服には色がなかったそう。さらに市などもなかったらしい。それに対してドラマですからかなり盛られています。良民で色のついた服を着て、定期的に着替えをしていて、街には市もある。

それから気が付いたのは文字のことです。ユルが記憶をなくした時に書いている文字がハングルなのです。ユルは世子でしかもかなり頭が良いという設定ですから、記憶をなくしても漢字がメインだと思うのですが。

対して国から出ているお触書は漢字です。現在の韓国ではハングルしか教えないらしい(だったよね?)そのせいかさりげなく出てくる文字もハングルメインで漢字が出てくる場面がないのです。

さらにこのドラマで何回も出てくるセリフの中の単語に「正直」があります。発音は「ショウチキ」と言っています。これはおそらく日本が朝鮮を統治していた時代の名残の多数の熟語のひとつでしょうね。

途中、ちらりと明の使臣と娘(当初は公子として登場)が訪れます。その時の公子の服装が明というよりも清の服装っぽい。これはどう考えても変でした。日本よりも中国に近いのだから、このくらいの時代設定は適当にしないでほしかった。

ホンシムは28歳でドラマのラストは1年後で29歳です。世子の年齢があいまいでしたが、20歳くらいともとれます。初回は子供時代ですが、年齢差は8歳もない印象。せいぜい2,3歳差のような。

ホンシムを世子と同年代である設定にしたくても見た目が28歳なので、その辺はスルーしたのか、それとも「私の名前はキム・サムスン」のように年齢がいっても玉の輿のチャンスがあるというドラマを作ったのかどうか。

ホンシム役のナム・ジヒョンを初めてドラマで見たのは「善徳女王」のトンマンの子供時代です。過酷な砂漠での撮影をこなすバイタリティのある子役さんとしては彼女を置いてほかになかったと思えました。当時から彼女の特性は変わっておらず、演技をしているというよりも、ナム・ジヒョンの個性を活かしている感じです。だから悪く言えば、演技としての役柄の演じ分けはできていない感があります。もっとも、監督さんなどが彼女の個性を活かす目的で作ったドラマならばそれもありです。おそらくそうなのでしょう。この方はチャキチャキ元気が良くて、明るい空気が持ち味です。

ただしドラマ「大王太宗」で大王太宗の子役時代の妃役の時は、ちょっと太っていて、演技も活かされていなかった感があります。その後、見たのは現代ドラマ「家族なのにどうして」です。このドラマでは彼女の持ち味が活きてました。このドラマは、現代ものだけど時代劇ドラマの大御所が出ているレアなドラマです。

このドラマはストーリーはつっこみどころはありますが、キャラ一人一人が丁寧に描かれています。しいていえばキム・ジャオンの背景が物足りなかったですね。村人たちの明るさとやさしさは見ごたえがあります。特に終盤の乞食にふんした様子は笑えます。

ホンシムはもう少し化粧を濃くしてもよかったのではないかと思いますね。主役のド・ギョンスは、無表情なのに微妙な心の変化を演じていて良い味出していました。

見るか見ないか迷っている方はぜひ見てください。コロナで疲れた心がいやされることまちがいなしです。

posted by あらすじべや at 13:29| 100日の郎君様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
プロフィール
名前:ran
性別:女性
一言:主に歴史系アジアドラマ中心です。感想だったり、あらすじだったり、その都度きめ細かくだったり、おおざっぱだったり、とにかく気負わず記しています。大陸と地続きのドラマはやはり面白い。国の価値観や盛っている部分はあるけれど、それを差し引いても、違う着眼点の発見があるからやめられません。最近は韓国ドラマより中国歴史ドラマを観ています。