ムミョンの正体
ムミョンは登場当初から「こいつは何者?」な雰囲気を持っていたのですが、なんと太宗(イ・バンォン)のご落胤だったということ。
イ・バンウォンは、ムミョンの母子を狙った犯人が王妃とにらんで調査中なんですよね。で、なぜかというと、母子への愛情というよりも、元々は王妃の実家の勢力、外戚の権力が増大するのを防ぎたいから。と言っても、何か理由がないと潰すことがさすがにできないので、何かないかと常々探っていたのでしょう。そこに、側室となるべき女と息子殺人未遂の罪に問えるとなれば、王妃の一族を潰せるという魂胆なのです。(多分)
その一連の流れは、ドラマ「大王世宗」とか「龍の涙」あたりでも描かれています。と言っても、このドラマではイ・バンウォンの感情は主にムミョンを受け入れたいという父子の愛情と、高麗復興勢力に育てられ、王座を狙っているのではないかという恐怖の葛藤が描かれています。
このムミョンのモデルは多分、ドラマ「大王世宗」や「龍の涙」でいうと、イ・バンウォンが王になる以前から屋敷にいた元下女の側室、孝嬪(ヒョビン)から生まれた王子、敬寧(キョンニョン)君ですね。
このドラマでは、この人の母親は、確か王妃より長生きしているし、本人も確か世宗より長く生きています。孝嬪と敬寧君暗殺は未遂に終わったことになっていますが、孝嬪が敬寧君を王座に就けるために王妃失脚になると睨んでこの事件を公にするのです。ところがイ・バンウォンは、王妃ではなく、王妃の兄に罪を問い、処刑されてしまうというストーリーです。
イニョプの愛
あんなに相思相愛だったイニョプとウンギですが、下女になったあたりからムミョンに何度も助けられ、当然のようにどんどん惹かれていくイニョプです。でもウンギへの愛も完全に吹っ切れたわけでもなく、何度も戸惑いを覚えているようです。
そして、身分が違うので、わきまえなくてはいけないと、距離を置こうとするイニョプの様子が、ウンギからすれば「結局、ムミョンが好きになったからじゃないのかぁ?」という「かわいさ余って憎さ百倍」な方向に向いていくような嫌な雰囲気になっています。
あんなに正々堂々として好青年だったウンギが、父の正体を知ったり、イニョプのことで人間不信気味になっているの条件があいまって、なんだか嫌なヤツの方向に向いてきています。でも、いまだ妻とは本当の夫婦になっていません。
で、イニョプは結局、ムミョンの愛を受け入れました。獄中でムミョンとキスしていますが、これって、ムミョンが「王が父親だった・・」と混乱しながらイニョプに伝えて「ど~しよ~」とうろたえているのを見てからのキスなんですよね・・。これって、ウンギからすれば「最初からムミョンが王子と知って乗り換えたんじゃないのかぁ?」というように思われても仕方ないかも。
ドラマではそういう理由と関係なしに、時間をおいてムミョンの愛を受け入れたという流れにはなっているんですけど、客観的に見ればそんな風にも見える。
イニョプの父の濡れ衣は解明するか
イニョプの父は、ウンギの父が高麗復興勢力の長とも知らずに、おとり捜査をすることを話したために陥れられ、処刑されています。しかしイニョプの父は「ウンギの父が真相を知っている」という意味の血文字を残していました。
同時にムミョンは王から「お前を育てた高麗復興勢力の長の首を持ってくる事が息子と認める条件」とされます。
それによって、ムミョンが育ての親への未練はない事を証明することにもなり、断ち切ることにもなるということと、王子としての器を見ることもできるという一石三鳥の命令を下します。
しかし、それはムミョンにはかなり苦しい選択なんですよね。この時点で、まだ長の名前を明かしていませんから。
しかし、ウンギが王のムミョンに対する不安を利用して、王暗殺未遂をムミョンが企てたように見せかけたところで15話が終わっています。ムミョンは王に斬り捨てられるところでしたが、イニョプが止めます。それをウンギが見てますますイラついているという・・。
このままいけば、イニョプは元恋人&結婚式を挙げたまでした人を謀反人の息子とせざるを得なくなっていきます。
ということは、ウンギがいい人のままであるほどイニョプはやりずらくなるわけですが、いい具合に(?)卑怯なヤツになってきているので、ある意味やりやすくなってきているのではないかと若干、ご都合主義な雰囲気も少し見え隠れします。
できればウンギは、イヤな奴に変化しないストーリーにしてほしかったですね。ただ、そうなると展開が難しくなるんでしょう。
下女が描かれているか
このドラマは下女に視点をあてた珍しい物という設定でもあるのですが、実際よりかなり盛っていますね。
最近の韓国ドラマ全般に言えることですが、おそらく史実よりかなり盛っています。
服装も髪も顔もきれいだし、食べ物も結構豪華だし、現代の家政婦さんくらいの雰囲気です。たまに叩かれたり、ころされたりしているけど。
ちょっと昔の韓国ドラマを観ると全然違いますよね。ドラマ「女人天下」あたりを見ていると、主役のナンジョンの母は両班の側室ですが、あくまで元謀反人の娘で下女なので(ナンジョンの育ての母は元、閣僚クラスの両班の娘で超お嬢様なのです。)ただの白くてぼろい上は着物の短い物に、下はズボンみたいなかなり貧相な格好をしています。あれでもかなり盛っていると思うので、実際はもっとひどかったと推測しています。
ところがこのドラマでは下女と言ってもまるで宮廷女官みたいです。「下女になって大変」と口では言っていても、先に書いたような事が多いので、あまり実感が描かれてないなという感じです。まあ、そこまで描かなくてもいいのかもしれないけど。
それから、下女とか下男とか言っても、各家によって、待遇は天と地ほどの扱いの差はあったでしょうね。運よく、待遇が良くて、心優しい主人の下男、下女と、そうでないところでは違っていたでしょう。
今後の予想
最終的にイニョプは復権するんだと思いますが、それにあたっては小公女セーラを若干彷彿とさせますね。イニョプ&サウォルのコンビがセーラ&ベッキーみたいに。ただ、サウォルはベッキーみたいな悲壮感はありませんが。