明成皇后(ミョンソンこうごう)韓国ドラマ 最終回 全話 感想

さて、このブログを開いた動機はおそらく、この124話もある長いドラマを見るかどうかの判断を求めてとのことと推測します。
見るかどうかの目安を以下に記しましたので参考にして下さい。

歴史に興味がある→見て!
教科書にない歴史を知りたい→見て!
外国から見た日本を知りたい→見て!
奥の深いドラマを見たい→見て!
頭を使うドラマを見たい!→見て!

イケメン、美人俳優を見たい→微妙
日本の良くない表現が苦手→微妙
恋愛ものを見たい→微妙
宮廷女のどろどろ物を見たい→微妙
おじさん俳優多めが苦手→微妙



皇后という敬称は当時の韓国が大韓帝国という国名になり、王と王妃の継承も皇帝と皇后になったからです。閔妃が生きている間は王妃なのでタイトルに違和感感じる人が多いようですがそれはそういう理由です。

最近の韓国時代劇ドラマは、映像はよくなっているけれど演技がうまい俳優さんが見当たらない。アイドル的な俳優さん多め。それに対してこのドラマは、演技派俳優さん多め。特にユ・ドングン(大院君)は初回から最終回まで同じ役者さんが演じています。このドラマの実質的な主役です。この方は演技の表現の好き嫌いは脇に置いて、純粋に年齢的な演じ分けや、感情の揺れなどバラエティに富んだ表現が見事です。これだけ長い作品を演じ続けるには相当な体力、気力、周囲とのコミュニケーションなど苦労が多いことでしょう。そういう意味だけでも見る価値はあります。

このドラマでは閔妃役を同じ女優さんではなく途中から別の方に代わっています。ウイキペディアによると、ずっとイ・ミヨン(10~80話まで出演)が演じてくれればと思うも、当初の契約通り80話までとなったそうです。80話でも十分長いですからね。閔妃役のオファーはカン・スヨン(女人天下主演)やイ・ヨンエ(チャングムの誓い主演)にあったそうですが、ことわられたそう。カン・スヨン・の閔妃を見て見たかったかも。81話からはチェ・ミョンギルという女優さんが演じています。


またドラマにはなっていませんが、このドラマの時代の少しあとに当時の韓国は日本統治下にはいります。だから皇帝になり清からも日本からも属していない独立国であった時代はほんの短い期間ですが、「めでたしめでたし」とはならないのが大変なところですね。

王が日本から断髪させられたシーンがあります。「髪切ったほうがいいじゃん!」と思っていたら、まさかの大院君も「男前になったな」の一言には驚きました。てっきり嘆き怒り狂うかと思ったら以外にこのころは現実を受け止める感じなんですね。このセリフは俳優さんのアドリブかとも思ったり。「男前」というのは単に見た目の問題ではなく、実際ドラマでは閔氏の死後、王の顔がキリリとして大人になったような気がしたのです。

ある意味ではこのドラマは、遅ればせながら閔妃の死後、ようやく妻という庇護を離れた甘えん坊の男の成長の物語にも思えます。

私はこのドラマを過去に3回くらい冒頭で挫折しました。けれどもじっくり腰を据えてみたら、かなり面白く見ました。むしろ最近は韓流物も日本のドラマも軽い内容のものしかなく、俳優の演技も今一つでドラマから遠ざかっていました。けれどもこのドラマは俳優の演技がものをいうドラマです。ドラマのセットや衣装はいまいちですが、それ以上に奥が深い。

さて、このドラマは史実がベースにあり、それをいくらかは脚色されているわけですが、大院君と閔妃のバトルが最大のベースになっています。同時に閔氏が健康な男児を生んでいればまた違ったのでしょうが、出産は5人もしているけれど、やっと生き永らえた世子も体が弱く、後継ぎを残せない体質だったようです。一説には軽い知的障害があったとされているようです。というわけで、この時代は王妃が跡継ぎを生むことは重大な役目だったわけですが、そういう意味では気苦労が絶えなかったことは想像できます。

おまけに若くして輿入れしたときは3年間も夫に相手にされない。(5歳年上の李尚宮という、王がお気に入りのお手付きの女官がいた。しかも先に健康な男児を出産)さらに自分を入宮させた舅にうとまれる。

やっと妊娠したら流産して、それが舅に贈られた朝鮮人参のせいなのかどうかは、結局不明。問題は舅が人参を意図して贈ったかどうかですが、これも微妙ですね。ただググってみたら確かに朝鮮ニンジンは妊婦には良くないという説があるようです。

ドラマでは最終的に閔妃を好意的な視点で描いています。同時に多少は非情な面もさらりと描かれています。例えば李尚宮を息子の婚礼時に出宮させるときに、同時に出宮させているなどです。しかも一緒に住まわせずに別の住まいにです。王子は法に沿っただけといえますが、側室は出す理由がないので、これはさすがに閔妃のやりすぎな行動ですね。

それからこのドラマの最終話124話はほぼ回想シーンとまとめと、後宗父母が閔妃の死後一気に衰えて続いてあっという間に亡くなるエピソードくらいです。ところがさりげなくというか、どさくさにまぎれるように、「えっ?」と驚きのエピソードがあります。うっかりすると見逃がします。それはオム尚宮という終盤に突然登場する落ち着いた雰囲気の女官が、閔妃葬儀の「一月前」に出産したというエピソードです。それが純宗に続いて皇太子となった「李ウン」だそうです。

閔妃は1985年10月8日に亡くなっています。ドラマでは高宗がロシア公館に避難しているシーンがあります。ということはこのころかその前後にオム尚宮は出産してますよね。というか閔妃が暗殺された時期とオム尚宮が出産した時期は同時期なのでは?

閔妃暗殺は大院君黒幕説が濃厚に語られる場合が多いようですが、一方であのごたごたした中でオム尚宮が無地に男児を出産しています。あの時期にさっさと王妃と王がロシア公館に避難しなかった理由も体面のためというには、どうも不可解。

そもそも宮廷で王妃の顔を知らない日本人が侵入しても、どうやって王妃を見分けるのか。写真があったとしても写真はその時のうちのうつり
具合で印象が変わるし、服装や髪形化粧で何とでも見た目はごまかせる。部屋も建物もたくさんあるのに、おかしいですね。

ドラマでは高宗は閔妃を愛していたように描かれています。確かに5人も子をもうけたので、当初こそ李尚宮に夢中で閔妃を放置したけど、このころは仲が良かったのでしょう。もしくは閔妃が側室や尚宮を近づけなかったか。

一方でこの事件のころは閔妃も中年のおばさんだから、さすがにあきらめていたでしょう。けれどもドラマではチョン尚宮(だったか?)が日本人に担ぎ手を斬られて流産して妊娠できなくなっています。

とすれば高宗が、オム尚宮とおなかのこを守るために・・という動機がなかったの?と疑問がわいてきました。



・・さて、余談ですが、このドラマで陰ながら縁の下の力持ち的存在だった人物がいます。あくまでドラマ上ですが、それは大院君の長男、高宗の兄です。本来この人が王座についても全然おかしくなかった。ところが大王大妃の思惑があり次男であれば垂簾聴政できるという理由で次男が王座に就いた。ただ、それだけ。

そのあとこの高宗兄は、閔妃が高宗に相手にされずに本を読みまくっていたときは新しい本を届けたり、老いた父が清に抑留されたときは清に行って一緒に暮らしたり、ホン尚宮がチャン尚宮からごーもんされたときは、中止させたり、損な役回りも文句言わずにやっていますね。イメージとしては大院君の妻の気質を受け継いでいる感じです。この人の妻は全く登場しません。実際はどうだったかわかりませんが。

長いドラマ、見ている最中で気づいたことはたくさんありますが、また後で追加します。



プロフィール

名前:
ran
性別:
女性
一言:
主に歴史系アジアドラマ中心です。感想だったり、あらすじだったり、その都度きめ細かくだったり、おおざっぱだったり、とにかく気負わず記しています。大陸と地続きのドラマはやはり面白い。国の価値観や盛っている部分はあるけれど、それを差し引いても、違う着眼点の発見があるからやめられません。最近は韓国ドラマより中国歴史ドラマを観ています。