明成皇后(ミョンソンこうごう)韓国ドラマ 102~105話 感想

105話、久しぶりに展開多めで見どころ多い回です。

これがフィクションであれば、程よく心地よいラストになるはずですが、
一応、史実をベースにしたストーリーですから厳しいですね。

さて、この回でまず驚いたのは、あの大院君が王后(このあたりから日本の提案で呼び名の階級が1つ上がり王后となります)に心から謝罪して涙を流します。完全なる和解です。もちろん王后も自分の非を認めます。そしてそれは大院君の服装に表れています。威圧感たっぷりのあの服ではなく元の臣下の赤い服を着て訪れています。

これが本心だとすれば70歳だそうで、この年で自分の行動を反省して嫁に謝罪するというのは、できることではありません。真実の気持ちであれば、柔軟性の高い人物だといえる。ただ可能性としては、ありえない確率が高い。だから部分的には本心だけど、どっか違うからできるとも解釈できる。

この二人が和解すれば、朝鮮としての立場は強固になるわけです。お互いそれも理解していて「阿吽の呼吸」です。その晩、大院君は「明日目覚めるまで起こすな」と秋月に行って眠りにつきます。(死んだという意味ではないですよ。フィクションならそうなりそうだけど、生命力の強さはすごい)ドラマ上なのかわかりませんが、史実もこの通りであるとすればのちに起きる王后殺害の黒幕大院君説はないことになりますが。

それから意外だったのは、ドラマの役者さんのイメージと実際の考え方が違うこと。井上馨役の役者さんは悪人顔で長身なので、そういう人物像を異目地してしまいます。が、このドラマ上の行動を見ていると、実はソフトな人物なんですね。例えば結果を早くとせかす岡村に対し、井上馨は「のちに満州を収めるには、朝鮮王妃の協力が欠かせない。朝鮮の民の反感を受けてはいけない」ということを言っています。


ところが総理の伊藤博文が、さっそく三浦梧楼と任務を挿げ替えてしまうのです。それでどう変わるのかはこれからの展開です。井上と違い融通利かなさそうな表情をした男です。このドラマでは王妃暗殺に動いたのは岡本柳之助ということになっています。

ドラマでこの回を見る限り、大院君は王妃殺害と無関係そうですが、ざっくりググるとやはり大院君が絡んでいそうな説が多めです。

大院君は口がうまい印象があります。あくまでドラマ上ですが。人の心をつかむ話術にたけていて、決して自分が直接的な言い方をしないのです。そういえば孫の(李載冕(イ・ジェミョン)の息子)が王になりたがったのは、もともと大院君がそのように思わせる行動をとり連れ歩いていたから。ところがいざというときにその方針をやめたとたん、孫に激怒するというわけのわからなさ。そういえば以前、大院君は実質自分の庶子の長男を王に仕立てる計画に失敗すると、庶子を人柱にあげ、結局その息子は死んでいるにもかかわらず、その犠牲に心を痛める様子もなし。これと孫の件は似ているんですね。

どうも信用できない人です。でも生命力の強さは見習うべき。3年清で捕虜生活を送っても生きながらえているんですからあの年で。

プロフィール

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ran
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一言:
主に歴史系アジアドラマ中心です。感想だったり、あらすじだったり、その都度きめ細かくだったり、おおざっぱだったり、とにかく気負わず記しています。大陸と地続きのドラマはやはり面白い。国の価値観や盛っている部分はあるけれど、それを差し引いても、違う着眼点の発見があるからやめられません。最近は韓国ドラマより中国歴史ドラマを観ています。