あらすじ
ジンは、今まさに首を斬られる寸前でした。ジンは「ここで死ぬわけにはいかない。」とすくっと立ち上がり「私は泥棒でも武官殺しでもない。医者だ。人を助けてなぜ殺されなければならないのか!」と声高に叫びます。そしてちょうどホン家の長男、ホン・ヨンフィが意識を取り戻してジンは医者であると証言しに来ました。ところが左相は、何かと言いがかりをつけて処刑を実行せよと行った時、急に頭を抱えて意識を失いました。
キム・ギョンタクはジンの言葉を信じ手術を受けることにします。ヨンレは兄の手術の立ち会いをしたので助手を申し出ます。御殿医もそばについて、手術が開始されます。しかし、血の溜まっている場所がわからないため症状と確率で穴を開けた場所に血の塊はありません。
ギョンタクはジンに鉄砲を向け屏風に発砲。ジンは「もう一カ所穴を開ける」というと「今度失敗したらおまえの頭を打ち抜く」といいます。緊迫感の中、再び別の場所に穴を開けると今度は予測通り血の塊が発見され血だまりを抜き手術は完了しました。
御殿医は不思議がり「西洋の医術か?」と尋ねます。ジンは少し間をおいて「はい。」と答えます。
一段落するとヨンレはジンに預かった指輪を返しました。
しばらくして左相が回復すると祝いの宴が催されました。ジンは呼ばれたため行くことになります。ギョンタクはヨンレを宴に来るように言います。ヨンレの母は「将来のお父上なのだから当然」と祝いの包みを預けました。宴の席にはまたしても呼ばれてもいないイ・ハウンが酔って訪れました。「私がジン先生を助けたから左相が助かったのだ。」ギョンタクはイ・ハウンが宴に出ることを許可しました。
宴にはすでに左相に祝いの品を渡そうと行列ができています。ヨンレはいつまでまっても呼ばれません。ギョンタクがヨンレを左相の前に連れて行き、母が持たせた包みを渡します。中身は質素な菓子でしたが左相は「兄上はまだ科挙に合格しないのか。母君は私の好きな菓子をよく知っている。今度兄上を私の所に使わすが良い。下級士官くらいなら。」と言うと周囲の者等が「菓子一つで下級士官なら、・・」と大笑いするのでヨンレは帰ろうとしました。
左相の隣に座っていた嫡子のキム・デギュンはキーセンのチュノンに身請けをして側室になる話しをしていました。チュノンは「私に命をかけられますか」というとテギュンに抱きつき、そのまま川に落ちます。テギュンは必死に岸に上がりますが、チュノンはそのままおぼれてしまいます。
ジンはとっさに泳いでチュノンを救いあげ、すぐに人工呼吸や心臓マッサージをします。人工呼吸の様子に周囲は騒然としますがチュノンは息を吹き返しました。
チュノンはジンが自分を助けたことを知り、妓楼に来て下さい。と言いますがジンは断って複雑な顔をしているヨンレに元に走りました。「あれは人工呼吸と言ってその・・。」ヨンレは「昼間から下品な」と怒っていました。
するとそこに早馬が来て「臣下は全員宮殿に登庁せよ。」と連絡が来ます。ヨンレが普段面倒を見ている貧しい村の子供と話していると、そこに急いで宮殿に向かおうと両班等が馬を走らせていました。そこにその子供が出たところを母親が助けに飛び出し血を流して倒れました。
ジンはヨンレに鞄を取りに行かせ、母親と子供の家に向かいます。ヨンレが急いで鞄を持って走ると、ごろつきに鞄を奪われます。ところが鞄の中身がジンの物と気付くとごろつきの親分は男に急いでジンに鞄を助ける手助けをさせるのでした。ジンのもとに鞄が届き、手術を開始しようとしたところに母親の夫が現れました。そして「どうせ生きていても貧しく苦しいだけだ。」と手術を拒否。思わず投げた物がジンの手を直撃しました。
感想
ヨンレって、何かで観たけど何に出ていたっけ?と思ったら、幻の王女チャミョンゴだったんですね。この人が主役の方が良かったと個人的に思っています。あらためてみると透明感があり素敵な女優さんです。
ジンは、現代では優秀な外科医ではあるものの、どこか合理的になりすぎている感じでしたが、朝鮮に来てからは人が変わったように見返りとか合理的なことではなく「人を助けたい」という一心でまっすぐに行動するように変化する様が興味深いです。
そしてその姿に惹かれる人が自然とジンを助けるようになっていくんですね。誰も頼る人のいない朝鮮でゼロからスタートしたのに、いつのまにか「人を助けたい」という熱意は時代を超えて人の心を動かし仲間を作るという流れに胸を打たれます。
同時に、身分社会の不合理さの苦しみなども。
日本のジンとはかなり違うような印象ですが、テンポがよく緊迫感など飽きずに見られます。